香水を“好きな香り”で選ぶのではなく、“好きなキャラクター”で選ぶ。
そんな新しいフレグランスの売り方が海外で広がり始めています。
香水のサブスクリプションサービスを展開するScentbirdは、Amazon MGM Studiosと組み、映画『Verity』の公開に合わせたキャラクター着想型フレグランスコレクションを展開しました。
今回のコレクションでは、物語の中心人物であるVerity CrawfordとLowen Ashleighの性格や感情の変化を、それぞれ異なる香りとして表現。
さらにオンライン上では、「どちらのキャラクターに共感するか」によって商品を選べるデジタル体験まで用意されています。
つまりこれは、香水を単なるコスメではなく、映画の世界観を体験するメディアとして使う試みです。
キャラクターの性格を「香り」に変換

今回の特徴は、映画タイトルやロゴを付けただけのコラボ商品ではないことです。
Scentbirdは、登場人物それぞれの個性や感情の流れを、異なるフレグランスプロフィールとして表現しています。
従来の香水選びでは、
甘い香り
爽やかな香り
ウッディ系
フローラル系
といった香調から選ぶのが一般的でした。
しかし今回の仕組みでは、
「自分はどのキャラクターに近いか」
という“アイデンティティ”から香りを選びます。
これによって、香水選びそのものが作品のストーリー体験になります。
🎬 映画グッズが「体験型商品」に変わる
映画とのコラボ商品といえば、これまではTシャツ、ポスター、フィギュアなどが中心でした。
今回のScentbirdの取り組みは、それとは少し違います。
香りは実際に身につけるため、
キャラクターを見る
↓
キャラクターに共感する
↓
その人物をイメージした香りを選ぶ
↓
自分自身がその世界観を身につける
という流れが生まれます。
つまり、“映画を見る”体験が、日常生活にまで延長されるのです。
「Shoppable Storytelling」が広がっている

今回のトレンドで重要なのが、**Shoppable Storytelling(買えるストーリーテリング)**という考え方です。
ストーリーを楽しんで終わりではなく、その世界観の中からそのまま商品購入へつなげます。
Scentbirdのデジタル体験では、ファンがキャラクターへの共感をもとに香りを探せるため、
物語 → 共感 → 商品発見 → 購入
という流れが自然に作られています。
これは広告を見せて商品を売るよりも、ファンにとって体験として受け入れられやすい方法です。
なぜ今このトレンドが伸びている?
背景にあるのは、「商品」より「意味」を求める消費行動です。
同じような香水が数多く存在する中で、消費者に選ばれるには香りの良さだけでは差別化しにくくなっています。
そこでブランド側は、
物語
キャラクター
感情
ファンコミュニティ
と商品を結びつけます。
「この香水は良い香りだから買う」ではなく、
「このキャラクターが好きだから使いたい」
という感情的な購入理由を作れるわけです。
💡 「Fandom Sampling」という新しい売り方
Scentbirdは香水のサブスクリプション・サンプリングサービスでもあります。
そのため今回のコラボは、映画ファンを香水の“お試し”へ誘導する仕組みにもなっています。
期間限定のエンタメコラボを使えば、
映画を知る
↓
香りを試す
↓
Scentbirdのサービスを知る
↓
継続利用する
という導線を作ることができます。
映画スタジオ側にとっても、通常の映画広告とは違う形で作品の認知を広げられるメリットがあります。
日本でもかなり相性が良さそう
このトレンドは、日本では特に広がる可能性があります。
なぜなら日本には、すでに強い**「推し活」文化**があるからです。
例えば、
アニメキャラクターの香水
ゲームキャラクターの香り
アイドルやVTuberをイメージしたフレグランス
映画・ドラマの登場人物を再現した香り
などは非常に相性がいい分野です。
日本ではこれまでもキャラクター香水は存在していますが、今後は単なるコラボ商品から、
「診断型」
「ストーリー連動型」
「サブスク型」
へ進化する可能性があります。
WORLD TREND LABが注目したいポイント
今回注目したいのは、香水そのものではありません。
重要なのは、
キャラクターの“人格”が商品になる
ということです。
これは香水以外にも応用できます。
例えば、
キャラクター別コスメ
キャラクター別ドリンク
キャラクター別ルームフレグランス
キャラクター別ファッション
キャラクター別AI体験
などです。
つまり今後のエンタメビジネスでは、作品を見るだけでなく、
「自分が誰に共感するか」
を起点に商品が提案されるようになっていく可能性があります。
これは、推し活とECの距離がさらに近づいていく流れとも言えそうです。
まとめ
Scentbirdは、映画『Verity』と連動し、主要キャラクターをイメージしたフレグランスコレクションを展開しました。
今回のポイントは、
キャラクター着想型フレグランス
Shoppable Storytelling
Fandom Sampling
の3つです。
香水が単なる美容商品ではなく、**映画やキャラクターの世界観を“身につけるための商品”**へ変わりつつあります。
特に推し活文化が強い日本では、今後アニメ、ゲーム、アイドル、VTuberなどと組み合わせた**「キャラクター×香り×EC」**が、さらに広がる可能性があります。
出典: Trend Hunter「Character-Inspired Fragrance Collections」
参考: PR Newswire


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